甲斐の国 初めてのお泊まり -1-

 
日曜日から月曜日にかけて、私の実家に行ってきました。
もちろん、【元】連れです。
【元】、初めてのお泊まり。

良い子にしていられるでしょうか?
知らない町、知らないおうち、知らないひと。大丈夫かなぁ?

 

6時半に自宅を出発。首都高も中央道もほとんど渋滞なしです。
すいすい走って、途中で2度ほど休憩したにもかかわらず、9時過ぎには甲府の実家に着きました。

 

 

2009_1220甲斐犬0003 ji-chan
「じーちゃん、ども。【元】でち。よろしくでち」
しっぽを振ってご挨拶。実はじーちゃんは2度目のご対面なのですが、前回はちょっと唸ってしまいました。今回は大丈夫。ちゃんと良い子にご挨拶できましたよ。

 

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「ばーちゃんこんちは。初めまして。【元】でち」
ばーちゃんとは初対面。こちらも上手にご挨拶できました。

 

2009_1220甲斐犬0001 tsunagu
昼間は車庫の脇につないでおくことにしました。日当たりがよくてポカポカです。
玄関を覗き込む【元】。
「おかさんおかさん、ごあいさつ終わったから、そろそろおうちに帰るでち」
えーと。元ちゃん。今日はね、ここにお泊まりするのよ…。わかるかな?

 

 

一休みしてから、おさんぽに出ました。
角を曲がって少し行ったら、とおりすがりのおうちの庭からいきなりダックスちゃん2頭が飛び出し、ガウガウ吠えながら【元】に向かってきました。
ちょっと困った顔で、途方にくれる【元】。
おじさんが慌てて走り出してきて、2頭を抱きかかえて止めました。「ごめんなさい!」
「あ、いえ、大丈夫ですよ~」とにっこり笑いつつ、「つないどけよ・・・」とココロでつぶやく私。
うちのちっちゃなかわいいげんげん(笑)が、そんな乱暴な犬に吠えられて。もう。かわいそうじゃないのよっ

実家を離れて10年ちょっと。帰省時にもほとんど周囲を歩き回らないため、私の頭からは、市内の地理がすっかり抜け落ちています。おまけに、ここ何年かで新しい道路が造られ、建物が建て替えられて、様子がだいぶ変わっています。
えーと、確かここを曲がるとこんな道があったような…う~ん、違ったねぇ。
ハナハダ頼りない私の道案内で、ぱんだくんと【元】、歩き回ります。

住宅街を歩いていると、庭につながれた犬に突然吠えられてびっくりしたり。一頭吠え始めると、近所中の犬が一斉に吠えだしたりして、なんだかちょっとヘコんじゃったり(笑)。知らない街は、なかなか大変です。

さて、元ち。市内の北方面、愛宕山の方に歩いてみよう。

 

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いいお天気。
山に向かって、そろそろ上り坂になってきました。季節の終わった葡萄畑が、道の脇に並びます。

 

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舗装された道路の左側に、いかにも山へと続きそうな脇道がありました。
元ち、こっち、行ってみようか!
「えー、【元】、あんまり気が進まないでちぃ…」
いいからいいから。ほらっ

ずんずん登ってみると、途中で「この先私有地 立ち入り禁止」の文字が。
なんだよもう。もっと下の方に書いておいてくれたらいいのに。ぶつぶつ。

 

渋々引き返す私たち。

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「もー。だから【元】は行きたくないって」
あー、はいはい。悪かった悪かった。さあ行こう。

 

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「【元】、もう歩くのイヤでち」
出たな、立ち止まり(--;)

 

しょうがないなぁ、もう。じゃあちょっとだけ休憩ね。

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通り道にあった、地場産業センターのベンチで、休憩させてもらいました。ついでに【元】のペットボトルに、お水ももらって。
さあ、元ち、休んだでしょ。もう行こう!

 

再び歩き出したものの。イベントもなくただ延々と知らない道を歩くおさんぽに、うんざりした様子の【元】。またもや立ち止まり始めてしまいました。
そしてとうとう…

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【元】、かつがれちゃいました。
これがホントの「ゲンかつぎ」? なんちて…。

 

おうちに帰って、またまた駐車場につながれる【元】。
寂しくないように、車庫に面した居間の障子を開けておきます。声も聞こえるように、窓もほんの少し開けておくからね、元ち。

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「えーと。お邪魔しますでちー」
少しだけ開けた窓を鼻先でこじ開けて、顔をつっこんできます。

 

知らない場所につながれて、居心地の悪そうな【元】。
暖かい日差しに誘われて、少しウトウトしてみるものの。やっぱり熟睡はできないようです。

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それでも、じーちゃんに「オテ」って言われて、ついサービスしてみちゃったり。
【元】、なかなか頑張っておりました。

 

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「【元】、いい子にしてたでち。だから、おかさん。かえろ?」
元ちゃん…

 

 

夕方近くなって、もう一度、おさんぽに出ました。
今度は近場で。市立公園にでも行ってみようか。
うすぼんやりとした記憶(汗)を頼りに、幼少時代に時折遊びに行った公園へ向かいます。
お寺の境内を抜けてこっちに向かうと、確か…あ、あったあった。公園だぁ。

と、そのとき・・・

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【元】、いきなり、狂ったように走り始めました。壁の向こうを気にして、下の隙間からニオイをとり、それからまた走り出し。壁の前を何度も往復します。
どうしたどうした!?

あ。わかった。
この公園、動物園も併設されていたのでした。この壁の向こうは、そう、動物園。
そうかあ、初めて嗅ぐ動物のニオイ。元ちん、いきなりテンション上がっちゃったねぇ。
楽しかったのか怖かったのか。どっちなんでしょう?

 

壁の向こうに集中する【元】を、なんとか壁から引きはがし。次は、子供の遊び場にやってきました。
日の暮れかけた公園。子供たちの姿はもうありません。
【元】、ちょっと遊んで行こう!

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「これは、なんでち?」

 

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「あらよっと」

 

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「よっこらしょっと」

 

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「ちょっと調子出てきたでち。よっ。はっ。ほっ」

 

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「し・しまった。下りはちょと
怖いでち」

 

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「勇気を出して。えいっ。でち」

 

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「あとひとつでち。とうっ」

 

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「全部渡ったでち~! おとさん、おやつおやつ!」

この後、もうしばらくあちこちを歩き回り、私の母校である中学校を一周して帰りました。

 

もう日もとっぷり暮れて。【元】の繋留場所は、車庫の脇から玄関内に移動しました。
夜には甥っ子たちがやってきて、みんなで蟹鍋。
【元】は、玄関につながれたまま、居間から聞こえる賑わいに耳を澄ませます。

馴れない場所で、ひとりぼっちでつながれて。ストレスがたまったのでしょうか。
甥っ子たちが帰って静かになった頃、ふと【元】の背中を見ると、びっしりとフケが浮いていました・・・。

 

さて。そろそろ寝る時間です。
今日はクレートを持ってきています。この中に入って寝られるかな。

購入した当初は、大きさにもだいぶ余裕があったクレートですが。いつの間にかずいぶん狭くなってしまっています。
ちょっと窮屈かなぁ。かわいそうかな。
でも、寝るだけだもんね。
このまま玄関につながれて寝るよりは、クレートに入って私たちの寝る部屋に連れていった方が暖かいし。それに、一晩中、私たちと同じ部屋で過ごしたなんて経験のない【元】ですから。意外と喜んでくれるかも?
なんて思ってました。

クレートの扉を開け、「ハウス!」
【元】、すんなり入りました。おー、いいこいいこ。
おやつを与えてそのままにしていると、やがて【元】がクレートから出てきます。
再度ハウスさせ、今度は扉を閉めます。そして、クレートごと、私たちの寝室へ。

やや不安そうな【元】。人の姿が見えなくなると、ひんひん鼻を鳴らします。
なので、ぱんだくんか私、どちらかは必ず部屋に残るようにして、かわりばんこに、寝る仕度を調えて。

さて。そろそろ寝ようか。おやすみ、【元】。
今日は疲れたねぇ。知らない街、いっぱい歩いたね。知らない場所にもつながれて、不安だったね。つまんなかったね。よく頑張ったね。
明日はおうちに帰るんだよ。

 

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